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「家電レンタル買った方が安い」は本当?損益分岐点と注意点を解説
新生活を始める際や急な転勤が決まったとき、誰もが一度は頭を悩ませるのが家電の調達方法ではないでしょうか。特に最近は「所有しない生活」という価値観が広まり、サブスクリプション型のサービスも増えており、初期費用を抑えるためにレンタルを検討する方も多いはずです。しかし、ふと冷静になると「結局のところ、家電レンタルと購入ではどちらが安いのかな?」「長く借りたら損をするんじゃないか?」という疑問が湧いてきますよね。
私も以前、1年半の予定で単身赴任が決まった際、冷蔵庫や洗濯機をどうするかで散々悩み、エクセルで表を作って電卓を叩いてシミュレーションをした経験があります。その結果わかったのは、利用期間や生活スタイルによっては、レンタルの方が圧倒的にお得になる場合もあれば、逆に割高になってしまい後悔するケースも確実に存在するという現実です。この記事では、一人暮らしや単身赴任における損益分岐点を数字で明確にし、審査の有無や解約金といった意外な落とし穴についても詳しく触れていきます。
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- 利用期間が2年未満ならレンタルがお得になる可能性が高いこと
- 購入時に見落としがちな処分費用やリサイクル料金の実態
- 長期利用した場合に発生するデメリットと総額コストの比較
- 審査や解約金など契約前に確認すべき注意点とトラブル対策
家電レンタルと買った方が安い損益分岐点は?

家電ユニバース作成イメージ
「とりあえず初期費用が安いからレンタルで」と安易に決めてしまう前に、まずは数字に基づいた冷静な判断が必要です。ここでは、購入した場合にかかる初期投資と、レンタルを利用した場合の毎月のランニングコストを天秤にかけ、一体どの時点でお得さが逆転するのか、そのメカニズムを詳細に解説します。
一人暮らしの初期費用と処分費用を比較
一人暮らしをスタートする際、家電量販店やネット通販で「新生活応援セット」のような商品を見かけることが多いですよね。一般的に、冷蔵庫(90L〜140L)、洗濯機(5kg前後)、電子レンジ、炊飯器、掃除機といった必須家電5点をまとめて新品で購入すると、大体9万円〜12万円前後の初期費用がかかります。これに加えて、配送設置料や、洗濯機の給水ホース取り付けなどの細かなオプション料金が発生することもあります。
一方で、家電レンタルの大きな魅力は、この初期費用を数千円から数万円程度に劇的に抑えられる点です。月額制のサブスクリプションサービスなら、初月の利用料(数千円)と事務手数料だけで使い始められることも珍しくありません。「かして!どっとこむ」のような一括払い型のレンタルサービスでも、中古セットなら2年分を一括で払っても6万円〜8万円程度で済むケースが多く、手元の現金を温存できます。
ここがポイント 購入はお金が「最初(イニシャル)」にドカンとかかりますが、レンタルは「毎月(ランニング)」かかります。引越し費用や敷金・礼金で貯金が心許ない時期に、手元の現金を残しておけるのはレンタルの最大のメリットと言えます。

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また、購入派が最も見落としがちなのが「手放すとき」のコストです。購入した家電は資産になりますが、不要になれば「粗大ゴミ」として捨てることはできず、家電リサイクル法に基づいた適切な処分が必要です。これにはリサイクル券の購入や収集運搬費が必要となり、冷蔵庫と洗濯機だけでも合計で1万円近い出費になることも。レンタルの場合、返却時の送料が含まれているサービスを選べば、この「出口コスト」をゼロにできるのが強みです。
2年以内の利用ならレンタルがお得な理由
多くの家電レンタルサービスや購入価格を比較分析してみると、損益分岐点となる一つの明確な境界線が見えてきます。それは「2年(24ヶ月)」という期間です。
月額コストの積み上げで考える
例えば、月額3,500円で冷蔵庫と洗濯機のセットをレンタルしたと仮定しましょう。 ・1年後:3,500円 × 12ヶ月 = 42,000円 ・2年後:3,500円 × 24ヶ月 = 84,000円
この84,000円という金額は、同等クラスの新品家電を量販店で購入する価格とほぼ拮抗します。しかし、レンタルには「配送設置費」「故障時の無料交換保証」「処分費用の免除」が含まれているケースが多いため、目に見える金額が同じであれば、手間やリスクを含めた実質的なコストパフォーマンス(TCO)はレンタルの方が高くなります。
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特に、以下のようなケースでは2年以内の利用になる可能性が高いため、レンタルが圧倒的に有利です。
- 1年〜1年半などの期間が決まっている単身赴任プロジェクト
- 同棲を始める際、二人の関係性や生活スタイルが固まるまでのお試し期間
- 大学4年生や就職活動中の、次の引越しまでのつなぎ期間
長期利用のデメリットと総額シミュレーション

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逆に言えば、2年を超えて長く使い続ける場合、レンタルは経済合理性を急速に失っていきます。毎月の支払いは終わりがないため、3年、4年と使い続けると、支払総額が購入価格の1.5倍、最悪の場合は2倍以上に膨れ上がってしまうのです。
以下に、主要なレンタルサービスの相場と新品購入のコスト比較をまとめました。
| 利用期間 | レンタル総額(目安) | 購入総額(目安) | 判定 |
|---|---|---|---|
| 1年 | 約50,000円 | 約110,000円 (本体+処分費) | レンタルがお得 |
| 2年 | 約100,000円 | 約110,000円 (本体+処分費) | ほぼ同等 |
| 3年 | 約150,000円 | 約110,000円 (本体+処分費) | 購入がお得 |
| 4年 | 約200,000円 | 約110,000円 (本体+処分費) | 購入が圧倒的 |
※金額はあくまで一般的な中古家電3〜4点セットのレンタルと、同等クラスの新品セット購入(処分費込み)を比較したシミュレーション値です。
注意点 「月々数千円だから安い」と錯覚してダラダラ借り続けるのが一番の損です。もし長期になる可能性が出てきたら、Rentioなどの「譲渡型(Rent to Own)」と呼ばれる、一定期間支払い続けると商品が自分のものになるプランへの切り替えを検討するのが賢い選択です。
学生や単身赴任におけるコストの違い
この損益分岐点を具体的なライフスタイルに当てはめて考えてみましょう。

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大学進学(4年間)の場合
大学進学などで「4年間」の一人暮らしが確定している学生さんの場合、迷わず「購入」をおすすめします。上記の表でも分かる通り、4年間レンタルし続けると、その支払総額で新品のハイスペック家電や最新のiPhoneが買えてしまうほどの金額になります。また、4年綺麗に使えば、卒業時に「メルカリ」や「ジモティー」、あるいはリサイクルショップへ売却して現金化できる可能性も残ります。
単身赴任(1〜2年未定)の場合
一方で、会社の辞令による単身赴任はどうでしょうか。「いつ戻るか分からないけれど、恐らく1年、長くても2年」というケースが多いはずです。この場合、購入してしまうと、赴任終了時に家電をどう処分するか、あるいは自宅に持ち帰るかという新たな悩みが発生します。自宅には既に家族用の大きな冷蔵庫があるでしょうから、持ち帰っても邪魔になるだけです。 処分の手配、リサイクル券の購入、運び出しの立ち会い…こうした退去時の面倒な手間と時間を「お金で買う」感覚でレンタルに任せてしまうのが、忙しいビジネスパーソンにとっては最適な解になることが多いです。
リサイクル料金などの隠れた出費に注意
「買った方が安い」と判断する際、商品代金だけで計算していませんか? 実は、私たちが家電を手放すときには、法律で定められたリサイクル料金がかかります。
- 冷蔵庫(170L以下):約3,740円
- 洗濯機:約2,530円
- 液晶テレビ(15型以下):約1,870円
- エアコン:約990円
(出典:一般財団法人家電製品協会『家電リサイクル券センター 再商品化等料金一覧』)
これらはあくまで「リサイクル料金」そのものであり、これに加えて収集業者や小売店に支払う「収集運搬料(1点につき1,650円〜3,000円程度)」が加算されます。つまり、冷蔵庫・洗濯機・テレビの3点セットを処分しようとすると、退去時に1万5千円〜2万円近い出費がいきなり発生することになるのです。レンタルであれば、返却時の費用が含まれているか、非常に安価に設定されていることが多いため、「終わりのコスト」や「手配のストレス」を気にしなくて済むのは精神的にも大きなメリットです。
家電レンタルと買った方が安いケースを徹底比較

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コストの分岐点が分かったところで、次はサービス内容や契約条件といった「使い勝手」や「リスク」の部分に目を向けてみましょう。単なる安さだけでなく、自分の信用情報や生活スキルに合ったサービスを選ばないと、後で思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。
審査なしやブラックでも利用可能なサービス
意外と知られていませんが、家電レンタルは高額商品を担保なしで貸し出す契約であるため、基本的には審査があります。多くの新しいサブスクリプションサービス(CLASなど)ではクレジットカード払いが必須となっており、カード決済時のオーソリゼーション(有効性確認)が実質的な審査を兼ねています。そのため、クレジットカードを持っていない方や、過去に支払いの遅延があり信用情報(ブラックリスト)に不安がある方は、利用を断られるケースもゼロではありません。
しかし、全てのサービスが使えないわけではありません。「かして!どっとこむ」のような、古くからあるレンタル業者では、「代金引換」や「銀行振込」に対応している場合があります。これらはクレジットカード情報(CIC等の信用情報機関)を参照しない独自の審査基準で運用されていることが多いため、審査が不安な方でも利用できる可能性が高いです。また、Paidyなどの「後払いサービス」が利用できるプラットフォームであれば、携帯電話番号とメールアドレスでの認証で利用できるケースもあります。
豆知識 審査が不安な場合は、申し込み前に利用可能な決済方法をよく確認しましょう。「クレジットカード払い必須」と書かれていないサービスが狙い目です。
解約金や違約金に関するトラブルと対策
レンタルを利用する上で最もトラブルになりやすいのが、解約に関するルールです。特に「月額500円!」のような激安価格を謳っているプランには、厳しい「最低利用期間(縛り)」が設けられていることが多々あります。
例えば、「月額料金は安いが、2年契約が必須」というプランを契約し、事情が変わって半年で返却しようとしたとします。すると、「残りの期間分(1年半分)の料金を一括で支払ってください」といった高額な違約金を請求される可能性があります。これでは、最初から買っておけばよかったと後悔することになりかねません。
- 最低何か月使わなければならないのか(3ヶ月? 1年? 2年?)
- 途中解約した場合の違約金計算式はどうなっているか(残額一括? 数ヶ月分?)
- 解約手数料が無料になるタイミングはいつか
契約ボタンを押す前に、この3点だけは必ず約款や「よくある質問」で確認してください。最近ではCLASのように「縛りなし(ただし返却手数料はかかる場合あり)」を売りにする柔軟なサービスも増えているので、将来の予定が不透明な方はそういったサービスを選ぶのが無難です。
セットプランと単品レンタルの選び方
一般的に、「冷蔵庫・洗濯機・レンジ・テレビ」の4点セットなどは、単品でそれぞれ借りるよりも大幅に割安に設定されていることがほとんどです。これから何もない部屋で生活を始めるなら、基本的にはセットプラン一択でしょう。
しかし、セットプランには「メーカーや型番、細かいサイズを自分で選べない」というデメリットがあります。「自炊を頑張りたいから、野菜室が独立している大きめの冷蔵庫がいい」「夜に洗濯することが多いから、音が静かなインバーター搭載の洗濯機がいい」といったこだわりがある場合、セットプランで届く標準的なグレードの製品(多くは海外メーカーのベーシックモデル)では満足できないかもしれません。
賢いハイブリッド利用のススメ
そこでおすすめなのが、「こだわりのある家電だけ単品レンタル(または購入)し、他は安価なセットで済ませる」という方法です。例えば、洗濯機だけは高機能なドラム式をRentioで指名借りし、冷蔵庫やレンジは「かして!どっとこむ」の格安セットを利用する、といった具合です。全てをセットで済ませようとせず、自分の生活の優先順位に合わせて使い分けるのが満足度を高めるコツです。
中古と新品の品質や故障時の補償範囲
レンタルサービスには「新品指定」ができるものと、基本的に「中古(リユース品)」が届くものがあります。当然、中古の方が料金は安くなりますが、「誰が使ったか分からない洗濯機や冷蔵庫は生理的に無理」という方もいらっしゃるでしょう。その場合は、多少高くても新品プランがあるサービス(Rentio、無印良品、あるいはかして!どっとこむの新品プランなど)を選ぶべきです。
また、故障時の対応はレンタルの大きな強みです。通常使用していて壊れた場合(自然故障)、ほとんどの業者では無料で交換・修理をしてくれます。これが購入品、特にリサイクルショップで買った中古品(保証期間はあっても3ヶ月〜半年程度)だと、修理費は自己負担となり、買い替えの手間も発生します。「洗濯機が動かない!」という緊急事態に、電話一本で代替品の手配をしてくれる安心感は、レンタルならではの付加価値と言えます。
配送設置や返却時の送料手数料の仕組み
サイト上に大きく表示されている「月額料金」だけでなく、送料や設置料も必ずチェックしましょう。「送料無料」と書いてあっても、以下のようなケースで追加料金が発生することがあり、これが意外と馬鹿になりません。
- 時間指定をする場合: 特に3月〜4月の繁忙期は、時間指定料金が高騰したり、そもそも指定できなかったりします。
- 特殊な搬入経路: エレベーターがない2階以上への階段上げや、クレーン吊り上げが必要な場合。
- 設置オプション: 洗濯機の給排水ホースの接続や、テレビのアンテナ線接続、チャンネル設定などは、基本配送には含まれず別途有料(3,000円〜5,000円程度)になることが多いです。
また、返却時の送料が「利用者負担(元払い)」なのか「着払い(無料)」なのかも極めて重要です。大型冷蔵庫や洗濯機の送料は高額(5,000円〜1万円以上)になりがちなので、ここを見落とすと最後の最後で痛い出費になります。サービスによっては「1年以上の利用で回収無料」といった条件がついていることもあるので要確認です。
結論:家電レンタルと買った方が安い人の条件

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ここまで見てきた通り、「家電レンタル」と「購入」のどちらが安いかは、利用期間と出口戦略(処分の手間)によって明確に分かれます。
家電レンタルがおすすめな人(損益分岐点:2年未満)
- 転勤や仮住まいで、利用期間が2年未満の見込みである
- 引越し時の初期費用を数万円単位で抑えたい
- 退去時の処分やリサイクル手配、引越し時の荷物を減らしたい
- 中古品でも気にならず、とにかく手間を省きたい
購入がおすすめな人(損益分岐点:2年以上)
- 大学生活など、同じ場所で3年以上暮らす予定がある
- 自分好みのメーカー、デザイン、機能を選びたい
- 最終的に自分の資産にしたい、または売却を考えている
- 退去時にリサイクル料金などの処分コストがかかっても問題ない
ライフスタイルは常に変化します。「今の自分」にとってキャッシュフローが良いのはどちらか、そして「未来の自分」が楽できるのはどちらか。この両面から検討して、ご自身に最適な選択をしてみてください。迷ったら「まずは1年レンタルしてみて、定住が決まったら購入に切り替える」という柔軟な姿勢も、現代の賢い消費スタイルの一つですよ。

